日誌 その21
前回の続き。 その彼と初めて話したのは、記憶によると中学1年のGW明け。
塾の休み時間にみな何のゲームだったか覚えて無いけど、盛り上がっている
話の輪に加わわらずに居ると、
「ゲームに興味無いの?」
唐突に話し掛けられた。
それまで会話した事も無い、別の中学の人に話し掛けられ
たいそう驚きつつ、
「ファミコン持って無いねん」
そう答えると、
「そっか、俺もファミコンないから同じやな」
そう言うと笑った。
当時のファミコンの普及率から鑑みて、かなりマイノリティな僕と彼は、
子供だったと言う事もあって直ぐに意気投合し、ファミコンを持ってない
だけで
お互いゲームが好きだと分かると、どちらが誘うでもなく某大学街の
ゲーセンへ
週末の塾の数時間前に待ち合わせて、一緒に出掛けるようになった。
とにかく彼はシューティングゲームが好きで、「R-Type」「オーダイン」「ドラゴン
スピリット」など当時ゲーセンを賑わせてたゲームをハシゴし、
特に「グラディウス2」
は1コインでラストステージまで行くような腕前だった。
あと当時から見ても少し古いゲームだったけど、「エグゼド・エグゼス」を
プレイすると
全然終わらないって思える位に上手かった。
20円~30円の低額でプレイできるゲーセンだったので、ディップスイッチの
難易度は
他と比べると高かった筈で、気付くと周りにプレイを鑑賞している
ギャラリーが
出来ることも少なくなかった。
ただ「妖怪道中記」や「ベラボーマン」、「バブルボブル」などのアクション ゲームに、
当時花形(?)だったSEGAの体感ゲーム「アウトラン」や「アフ
ターバーナー」は
てんで上手では無かった。
そんなシューティングの鬼とも言える彼が、幾多のアーケードゲームが移植
されてた
ファミコンを持って無いのが不思議だったので、あるとき聞いて見ると、
「お兄ちゃんが、ファミコンは買うなって言ってな」
意外な答えが返ってきた。お兄さんが何の関係があるのだろう?と怪訝な顔を
している
僕に、
「そのお兄ちゃんのパソコンがあるから、ファミコンは必要ないって事らしいわ」
苦笑いしながら答えた彼に、
「パソコンって何のゲームしてるの?、ザナドゥ?、イース?」
思わず問い詰めると、
「いやサーク(うろ覚えではあるが)と、Might and Magicの2やな」
と答えた彼は、逆にどうして僕がザナドゥやイースを知っているか不思議がったので、
ファミコンを持って無くて、Beepを愛読していた経緯からパソコンゲームへ傾倒し
それによる熱い憧れと、
「高校入ったら、バイトしてパソコン買って何としてもザナドゥやりたい」
と目標を打ち明けた。
すると、
「3年以上先にザナドゥ売ってるかな?」
そう、当時僕自身も懸念していた事を即座に指摘された。
既にザナドゥが発売されてから
この時点で数年経過しており、既に「イース2」や
「ソーサリアン」も世に出ていた。
ずばり痛いところを指摘されて憔悴した僕に、
「うちにザナドゥならシナリオ2まであるから来るか?」
予想外の提案をしてくれて、もちろん即座に土下座する勢いで了承しましたw。
数日後、塾で会うと、
「兄ちゃんのOKでたから、週末来る?」
パソコンは基本お兄さんの物らしく、許可を貰うと言われてたけどあっさりOKが
出て、
週末初めて彼の家へと向かった。
学区が違うので塾の近くで待ち合わせて、一緒に家に
向かったのだけど・・・
まぁ大きな家でしたw。
気後れしながら、簡易的な門(?)を抜けて玄関の近くに自転車を停めてると、
お母さんが
登場し、しどろもどろに自己紹介したのを覚えて居ます。
そそくさと家に向かい入れられ、2階のとある部屋に通されるとそこに鎮座して いたのは、
「PC-98」でした。
PC-88か、FM7、X1のどれかかな、もしMSXだったら残念だとか考えてた
失礼な僕の
予想は、完全に打ち砕かれていました。
「ザナドゥ探すから、椅子にでも座ってて」
パソコンラックに備え付けられた椅子に座って待って居ると、本棚らしき場所から、
ザナドゥのパッケージを彼は持って来ました。
「最初にキャラクターDISKの作成だったかな」
独り言を呟きながら、PC-98のFDドライブにザナドゥのDISKとたぶん空のFDを
挿入し、
おもむろ電源を入れました。
ブゥーンと通電する音と共に、FDにアクセスする独特な音が部屋に響き、まだブラウン管
モニターの時代でしたが、その画面に何やら表示された文字が消えると、
本当に夢にまで見た、ザナドゥのタイトルが表示されました。
:実装さてるエディターがクソで、改行が無茶苦茶になっています。
お見苦しいと思いますが、ご了承下さい。
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