日誌 その23
前回同様にシナリオ2の為に新しくキャラクターDISKを作ってくれたのたのだけど、
俗に言う「ノーブランド」ではない、確かmaxellかTDKのさらのFDを用意してくる
事に少し気が引けました。1枚あたり200円程度だったと思いますが。
なのでザナドゥ1のクリアDISKをフォーマットして作ってと要望したのですが、
「せっかく記念すべきPCゲームクリアのDISKだから、おいておこう」
お兄さんに諭されるように言われて、嬉しいやら申し訳ないやら。
さてDISKも出来て、まずシナリオ1(便宜的に)のキャラクター作成を利用する
ので、見慣れた画面でパラメータを付与し、アイテムショップへも立ち寄り
(シナリオ2で変更のあったアイテムもこの時点では旧作の名称のままだったので、
教えて貰いながら)、ケーブを抜けるとDISKをシナリオ2と交換をうながす
メッセージが表示され、パソコンのリセットスイッチを押すと、
タイトル画面が颯爽とブラウン管に映し出されました。
シナリオ1も雰囲気のある絵でしたが、今風(当時として)のグラフィックに
しばし見とれてました。
しかし、シナリオ2へ胸を膨らませたのは此処までだったかもしれません。
DISKが読み込まれ画面が表示されると、
いきなりダメージを受ける「逆さつらら」に囲まれた所からのスタートに
なります(スタート直後の画像を見つけられなかったので、右側がアイテムで
変わっていますが、本来は左右ともつらら)、
Beepを読んで居たのでこの事実は知ってはいましたが、いざ実際に体験すると
逃れられないダメージをいきなり喰らう事実に、少しテンションが下がった
のを覚えてますね。
しかしじっとしてても始まらないので、「9」キーを押してつららを越えようと
したら・・・即死。
シナリオ2からはエリクサーも最初から持ってないので、全く同じ状況から
やり直すことに。しかし何度やっても即死してしまう。
まったく理由が分からないので憔悴してる僕を見かねて、
「あのな・・・アイテムショップで買いすぎると即死するようになってるんよ」
彼が理由を教えてくれ、
「方法としては、マント(1でも貴重品だったので数個買い込んでいた)を使って
切り抜けるしかないかな・・・」
と言われて、貴重なマントをゲームを始める為に使用しました。
スタート直後からこんな悪質な仕掛けを施されたシナリオ2でしたが、こんなの
まだまだ序の口でした。
この最初の階層には確か20数個の城と言うか塔があって、無駄に「ランプ」を使わせる
仕掛けになってた。殆どが見る必要がないのだけど初見ではそんなの分からない。
しかも「INN(宿屋)」が廃止されてたので、病院へ入って治療する(HPの減りに
応じて請求される)か、シナリオ2最大のウリでもあった「アイテムがSHOPで買える
(ただし全てではない)」を生かして、1で枯渇の憂き目を見た「レッドポーション」
を買って治療するしかなかった。
ただ「SHOPがアイテムを扱う」システムは、何かとアイテムの枯渇でやり直しを
迫られたユーザーの救済ではなく、より進行を複雑にするためだけのものだと後に
知る。
事前には知っていましたが、SHOPによって同じ物でも値段が違うので、俗に言う
「行商」してゴールドを無限に増やすことが出来るようになってた。
もちろん最初から大きな儲けの行商はできないのだけど、1であれだけ苦労した
ゴールドの足かせを外されたように感じるシステムだったのですが、その対価として
モンスターがアイテムを持ってなくなった。
見方よっては、更にアイテムが貴重になったといえる改変だったとしばらくして
気付きます。
しかも、階層、階層が1→2→3・・・と順続きではなく、1→4→2、7→(だったかな)
と複雑につながった構造になってた。
その上、行く先々でモンスターの強さも順ではなく、いきなり即死させられたり、
何よりフィールドマップが「意地悪の極限」とも言えるデザインで、1つ操作を
間違ったら・・・詰み。それが至る所に仕掛けられてた。
どのくらいだっただろう、確か10回位詰んでキャラを作り直していると、
「シナリオ2はRPGじゃ無いよな、これは「ロードランナー」とか「ソロモンの鍵」
と同じパズルゲームやな」
その日同席してたお兄さんがうんざりするような一言で、僕も何か繋ぎ止めてた糸が
切れたように感じた。
「出来たら色々教えてあげてクリアさせたいんやけど、俺もこいつ(同級生の弟)も
途中で投げ出したから・・・延々その繰り返しになるよ」
ちょうど、なんとかたどり着いた6階の最大の行商場でそれでも何度も死にながら、
お金を稼いで居たのですが、
「うん・・・ちょっと僕も限界かな。これはザナドゥじゃないね」
そう告げて、それ以上ザナドゥ・シナリオ2をプレイする事はありませんでした。
ザナドゥ1の倍以上に増えたデカキャラをほとんど討伐すること無く終わった、シナ
リオ2でしたが、現在に至っても良い印象は持って無いです。
このエントリーを書くに当たって、少しグーグってみたのですが、流石に国産PC
ゲーム市場に大きな足跡残した偉大なゲームだけあって、現代に置いても攻略サイトや
動画が幾つも検索に掛かってくる。
懐かしく思いながら幾つかのサイトを見て回ったのですが、あのネットは存在しない
攻略本もない・・・僕はBeepでこの兄弟は記憶によると「ポプコム」を愛読してた
はず。
どちらも系統は違えど、「攻略」を売りにしている雑誌ではなかった。
そんな環境でこの「ザナドゥ・シナリオ2」を仮にこの先もやり続けてクリア出来たか
と言われれば・・・たぶん無理だったと言うか、そこまで気力が続かなかった気がする。
お兄さんが言う様に「パスルゲー」としてプレイしていたのなら違ったかも知れない
けど少なくともRPGとしてプレイしてて、あのユーザーを徹底的に萎えさせるゲーム
デザインのゲームを最後までやり遂げる根気は少なくとも僕にはなかった。
ただ、不思議なのはあのゲームをどうしてザナドゥの続編として販売したのか。
Wikipediaを見ても、当時ザナドゥが打ち立てた販売本数(PCゲームとして)は
いまだ破られていないらしい。
土俵は違えど、ファミコンで言う所のドラクエであったり、FFと同じブランドだった
訳で、それを完全に否定するかのようなゲームにしてしまったのは未だに大きな疑問が
個人的には残る。
当時も不評だったのか、「万人受け」に舵を切って「イースシリーズ」を開発した
とあるが、イース1しか後のハードでプレイした経験はないけど、ザナドゥとイースは
似て非なるもの、あのモンスターが跋扈する迷宮を踏破していく快感はイースにはない。
国産アクションRPGの開祖とも言われる「ハイドライド」のファルコム版だと思う。
もっともハイドライドの何が面白いのか理解できなかったので、当時一応プレイさせて
貰ったのだけど、数分でやめた事実がある。
昭和のしかもまだメガドライブもスーパーファミコンもない時代に現れたRPG。
Beepを愛読していたので、日本にまだRPGと言うジャンルが定着し始めた頃で、
ファミコンで発売され、最もメジャーなRPGは当時からドラクエだったと思うけど、
このザナドゥも、その後星の数ほど作られたRPGに少なからず影響を及ぼしたのは
想像に難しくない。
しかし、
ネタバレではあるが、Dragons SlayerとBattle Suitsを除いた最強装備は、最初に
掲載したスタート地点の真下、マントを使って行ける壁(岩盤?)に隠された、
SHOPに売られてたりする。
数千ゴールドを稼いで行商を開始し、決して少なくは無いけどある一定の金額を稼い
だらLV1でも最強装備を手に出来る作りになっていた。
もちろん1でも同様の事は可能ではあったけど、ブラックオニキス8個と、
ファイアークリスタルを8個最低限用意し、その他のアイテムも幾つか必要だけど。
シナリオ2をギブアップすると宣言すると、当時お兄さんが教えてくれたのだけど、
「なんかバカにされてる(開発者に)みたい」
聞いた時に子供ながらに思ったのを覚えている。
あれから数十年経って、その原因を今回の記事を書くのに知った。
ダメージの謎のバグ
当時は全く理由が分からなかったのだけど、突然件の逆さつららで200万ダメージ
とか受けてしまうようになるバグがあった(LVMAXでも即死するダメージ)。
同級生の彼もお兄さんも、当然僕もなったのだけど原因が分からないのでそのまま
ゲーム進めたのだけど、ある特定の条件下で「ブラックポーション」を取るとなる
らしい。
このポーションは取るとHPがその場で半分になるトラップなのだけど、
「カルマ」
攻撃力0の敵を倒してしまうと上がってしまったカルマを下げる役目も担っていた。
特にシナリオ2のカルマキャラは悪質極まりない配置や仕掛けを施されてたので、
カルマがあるとLVアップ出来ないので、多分当時殆どのユーザーは1度ならず取ってた
はずで、なれば殆どのユーザーはこのバグが発動していたと思う。
そこで思ったのが、実はバグでは無く意図的に仕組まれた物だったのでは無いかと言う事。
今回書いていて思うのが、開発した人たちはシナリオ2を世に出したくなかったのでは
ないかという疑念。
そう思えてしまうくらいに、ユーザーの続編への希望や期待を全て奈落の底へ落とした
ゲームだったとしか思えない。
さて、当初の大目標の「ザナドゥ」はクリアし、シナリオ2は挫折した僕に、この
兄弟は色々ゲームを勧めてくれました。
「ファルコム以外のゲームが良いかも」
そう言われて、覚えてる限りでは、「ハイドライド1・2」「夢幻の心臓2」「破邪の封印」
「Fantasy」・・・。
でもどれも自分の琴線に触れるゲームは無かった。
ただ、今となっては「Fantasy」だけはプレイしてみたいと思ってるのですが、例の
サイトでも扱って無いみたいですしね・・・残念。
数ヶ月毎週末お邪魔してたので、ここらで潮時かも(実際親に毎週毎週迷惑になるから
控えなさいと釘を指されてた)と考えてた僕にお兄さんが、
「このゲームちょっとやってみーひん?」
そう言って目の前に差し出されたのは、真っ黒な背景にドラゴンが緑のラインで描かれて
いて。そこには、赤い文字で
「Wizardry」
と書かれてました。
続く。
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