日誌 その33
今回はアニメである。
アニメは特段嫌いではない。どちらかと言うと好きだと思う。
ただこの場合のアニメとは、国民的な作品であるところの
「ドラえもん」「機動戦士ガンダム」「キン肉マン」「シティー
ハンター」その他色々・・・幼少期から思春期に掛けてTVで見た
作品と、スタジオ・ジブリの「もののけ姫」位までがその、
結構好き
と自分で認識しているアニメだった。
なので高校に入った頃から、TVでたまに放映されるジブリ作品以外は
見た記憶は無い。再放送で「キテレツ大百科」とか放送してたら懐か
しく見る程度で。
漫画は逆に特に80年台の作品を中心に「めぞん一刻」や「ぼくの地球を
守って」、「AKIRA」未だに連載中の「ファイブスター物語」などなど
手当たり次第、ジャンルに拘らず手広く愛読してた様に思う。
そんな学生時代も終わりに近づいた1997年の年の瀬に、当時バイト先に
いた年下の仲間に、
「ながら見で良いので、全部見て感想きかせて下さい」
そう言ってビデオテープ4本を押し付けられた。
そのビデオテープに録画されていたのが、
新世紀エヴァンゲリオン(1995年10月~1996年3月)
だった。
初回放映が1995年なので再々々放送くらいの物を録画したのだろうけど
本人曰く、
「どう見ても納得いかない、こんなものが流行ってる意味が分からない」
と言い、あまりアニメに興味なさそうな人の感想を是非聞いて、自分は
正常だと確認したい・・そんな感じだった。
「エヴァ」は知ってた名前は。放映から2年経過してたこの時点でも、
何かにつけて「綾波」や「アスカ」のポスターを様々な所で目にした。
特に最初のWin機を購入した頃で、日本橋にちょくちょく出入りしてた
のもその理由だったと思うのだけども、興味ない身としてはうんざり
してた。
「オタク」を毛嫌いしてた訳ではない。ゲームは好きだったし。
VF2には100万近く突っ込んだ大馬鹿者である(使用キャラは2Pサラ)。
それでアニメはXっていう了見の狭い人間ではないと思っていたのだけど、
ゲームショップへ行こうが、パソコンショップ(主にCGソフトのリサーチ)
へ入ろうがエヴァ関連のポスターやグッズ、書籍などが必ずあった。
逆に言えばそれだけ社会現象になっていたのだろうけど、ゲームは好き
だったけど、それ以前に大ヒットし周りでもカナリの人間がプレイしてた
「ときめきメモリアル」に代表される、緑や黄色やピンクの髪の毛に、
リアルとは程遠い性格で、男の都合の良い女の子が出て来るアニメやゲームも
含めてどうしても受け付けれなかった。
なのでゲームはカナリ買いまくってたし、SEGA信者だと言うのにある
時期まで「サクラ大戦」もやった事がなかった(初見は2001年)。
そこへ青や赤の髪の毛に、ピチピチのコス着た少女の絵。
『超うぜぇ・・』
綾波の等身大のポスターとか見るたびに思ってた・・。
何度か見れない、見たくないと断ったのだけどその勧めてきた御仁も
引かず、根負けしてビデオテープをイヤイヤ受け取った。
『徹底的にダメ出してやろ』
そんな意気込みで①と書かれたテープをデッキに押し込んで、プレイを
押した。
『3話も見たら十分だろう・・』
もうそれ以上は生理的に無理でした―で返そ。本気でそのつもりだった。
けど・・
壱話見た時はなんとも無かった。まぁこんなもんだろうって程度で。
しかし弐話、参話と見ていくと何かおかしい。
今まで見たアニメと何かが根本的に違うと四話くらいから感じ始め、
伍話「レイ・心の向こうに」あたりから、なぜ日本の至るところで綾波
関連の物が散見するのか分かった気がして、六話「決戦第3新東京市」
は無心で見てた。巻き戻して2回連続で見た。
そしてグイグイ見えざる手に引き込まれつつ、拾参話「使徒、侵入」で
完全にもってかれたw。
今でもこの拾参話の赤木博士をトップに、オペレター達と使徒との
攻防戦のこの話が一番好き。
結局やめ時が見つからず、徹夜で一気に全26話見ることになった。
そりゃ、どんどん伏線だけを張りまくっていくストーリーに、胡散臭さ
全開の大人達、そして最終盤も最終盤の弐拾四話「最後のシ者」での、
「さぁ行くよおいでアダムの分身、そしてリリンの下僕・・」
あんなの見たら寝られないw。
その後、2、3日で見て返すと約束してたのだけど、まだ見れてないと
嘘ついて、持ち主に「いい加減見ないなら返して下さい」と言われる
まで借り続けて、多分通しで15回は余裕で見た。
特に件の弐拾四話のシーンはアウトプットしてMDでシーン丸ごと録音して
ワードに「さぁ行くよ~」から圧殺されるまでの全てのセリフを書き起こして
検証したりしたりもしたw。
ネットが普及し始めた黎明期でまだ家にネット環境がなかった。
普通に見てたのではどんどん情報だけが蓄積されていくので、何度も見て
文字にして何かヒントが無いか・・そんな時代に現れた作品だった。
「全く納得できないでしょ?、全部放ったらかしでおめでとうって
作った奴アホですよ」
ビデオを返すと開口一番言われたのだけど、実は僕の受けた感想は
真逆だった。
とどのつまり、主人公たる碇シンジ君が自分の置かれているそれほど
不幸ではない境遇と居場所に気づく物語じゃないの?(やや疑問形では
あったのだけど)・・・って普通に思えたから。捉え方の問題と言うか。
加持さんの台詞じゃないけど、
「真実は人の数だけ存在する・・」
その大きな要因はまず斜に構えて見始めたのと、全話ノンストップで
一気に見れたからなのは大きいと今も思う。
もし毎週1話ずつ見てたら、貸してくれた彼の反応が至極当然だと
思う。
実際、当時放映から2年以上過ぎていたのだけど、「エヴァ」「使徒」
「人類補完計画」「アダム」「リリス」そして「リリン」・・とは?
それらは全くと言っていいほど解は示されてなかった。
この年の春と夏に映画化されたけどそれは解決されず(パンフで解説
されてたけど)、貸してくれた彼は片っ端から書籍を買って読んでた
けど何も解らないままエヴァブームは徐々に収束していった。
そんなエヴァが僕自身に残したものは、
「アニメって何気に凄いのかも・・」
って思いだった。
そしてそれまで殆ど見てなかったTVアニメに傾倒するのだけど、結果的
には直ぐに見なくなる。
「少女革命ウテナ」「機動戦艦ナデシコ」などちょっとエヴァぽい作品を
筆頭に録画して見てはみたけど、数話で苦痛になって見るのをやめてしま
ったし、この頃からよりアニメのギャルゲー化が加速し始めた気がする。
そもそも未だにエロゲもギャルゲーも殆どプレイした事がない。
唯一経験有るのがとある友人の家で「強制的」にプレイさせられた、
「鬼畜王ランス」
だけであるw・・・思ったより面白かったけど自分で買ってまでとは
やはり思わなかった。
ああ、それとサターンで発売された、
「リアルサウンド 風のリグレット」
だけである。これにはそもそも絵が無い(今考えると凄い)。
庵野氏が手掛けた「彼氏彼女の事情」、実写に挑戦した「ラブアンドポップ」
も思い入れを持てなかった。
そして、またアニメ(TV)を見ない日常が再開する。
ビデオデッキからDVDレコーダーになり、たまに気になる作品を録画して
みても見ること無く消すか、1話だけ見て結局消すが通例になってた。
ワンピースやナルトなど超有名どころも見ることなく時は過ぎて行き、
ジブリも「天空の城ラピュタ」の頃の胸躍るクォリティもアイデアも見る影が
なくなり、その代わりに台頭してきた細田守作品をたまにTVで見る位に
なってた(サマーウォーズがNo1!)。
そんな2011年の暮だった記憶があるのだけど、wowowで放映されて何となく
録画しておいた、
涼宮ハルヒの憂鬱 2006年4月~同年7月
を消す前に話題になってたから一応見ておくか・・・と軽い気持ちで見て
衝撃を受けた。
でも衝撃を受けたのはTVシリーズでは無くて、映画版である所の、
涼宮ハルヒの消失 2010年公開
だった。
TV版の総集編だと思ってたので、先に映画見た方が無駄がなく早いと考えたから。
大ヒットしたオタク向けラノベが原作で、宇宙人とか超能力者が出て来る
学園モノ。
その程度の知識だった。
でも主人公(キョン?)が超能力者だと思ってたし、ハルヒが宇宙人でしょ?
そんな程度の知識だった。
なので色々見ながら認識を新たにしつつ視聴していったのだけど、
パンクロッカーか?って言うような色とりどりな髪の毛のキャラは出てこず
(鶴屋さんは居るけど・・)、10等身でも顔の1/3が目でも無く、男の願望
を特化しただけの女子(みくるは居るけども・・)も居ず、ごく自然なキャラ
デザと動き含めた質にまず驚いた記憶がある。
そして、涼宮ハルヒの消失のストーリーに、正直もっと度肝抜かれた。
パラレルワールド(タイムパラドックス?)作品で見ると、自分の中では
(あくまで僕個人の印象)「時をかける少女」と双璧なす作品。
(大林、細田監督の実写、アニメ両作品)。
言うまでもなく、その後リピートかかったTV版涼宮ハルヒの憂鬱も
高レートで全話録画し直し、何度も見て今も保管してある。
10代後半、持て余し気味な好奇心や未来への漠然とした不安を高校を
舞台に、涼宮ハルヒを中心とし唯一の無味無臭キャラであるキョンの視点で
語らせる快作だと思う。
もっとも、かの「エンドレスエイト」を8週に渡って見せられていたら、
また印象も違ったかも知れない事は記しておきますけど。
そしてキンドルで原作も全話揃えてw,アニメに対する印象をまた
新たにする事になる。
続く・・
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