日誌 その32
今回は放置してた、「日誌 その24」の続きを書こうと思います。
今回で完結します。
さて、「wizardry#1」である。
確か最高でも戦士のLV4位だったと記憶しているのだけど、
少し強くなったのに気を良くして、遠出したらイキナリダーク
ゾーンに突入しました。
それまでRPGと言っても「ザナドゥ」や「夢幻の心臓」たしか
「イース」も手を出してた思うのだけど、現在のゲームに比べたら
理不尽ゲー、特にザナドゥは。
けど、それとは違った厳しさに直面することになる。
まず今何処に居てどの方角を向いてるのか分からないなんて
のは、ゲームして初めての経験だった気がする。
勿論、ザナドゥなどでも最終盤の城など(1の7階とか)あった
けど、ゲームクリア可能に近い強さになってからの遭遇だった
と思う。
それが1階もろくに探索出来ない状態でのダークゾーンだった
ので、混乱すると言うか意味がわからなかった。
マッピングしてみるとなんてこと無い作りなのだけど、初めて
しかもwizardryにも慣れてない者からすると、
「何ちゅ―ゲームだよ・・・」
ってのが正直な感想だった。
もちろん兄弟、特にお兄さんはマップなど見せてくれない。
「デュマピック使ったら良いよ」
くらいの助言はしてくれたと思うけど、パーティーが瀕死の状態
なのでメイジの呪文は温存しておきたかったので、自分の位置も方角も
分からず、感覚的には、
「四方壁じゃないの?」
とか思いながら(脱出は出来ると言われてたので)闇雲に操作
していると、幸か不幸かあの変なおっさんの部屋ではなく、
「エレベーター」
にたどり着いた。
エレベーター・・・?。
モンスターが跋扈する迷宮にいきなりエレベーター?。全く
状況を把握出来ないでいると、
「乗ることも出来るし、さっきの暗闇に戻って道を探しても
良いし」
後ろで見てたお兄さんからの助言と言うのか、独り言が聞こえた
ので、思い切って乗り込んで、地下4階まで行く事にした。
この決断が、この後10数年ダンジョン系RPGへ傾倒していく決断に
なるとは知らずに。
結果から言うと、地下4階でエレベーターを降り、数歩も行かない内に
突然DISKを読見込む音かしたと思ったら、
「魔物に出会った」(ひらがなだったかも知れない)
表示され、ヒョウの頭だけのモンスターの2パーティとエンカウント。
初めて見るモンスター、しかも4階。逃げても良かったのだけど、
何故か戦うことを選択し、持てる魔法(KATINOとか)全て使って挑んで
みたけど、
あっけなく全滅
今まで見たことの無いダメージ食らって、前衛の戦士が1撃で倒れて
いく様はどこか爽快でもあった。
そして、このwizardry独特の「怖さ」にどハマりしてしまう。
珍しくお兄さんが、
「流石に厳しいから俺のDISKコピーして、1人か2人キャラ使ってやる?」
と言ってくれたけど、固辞して救出は不可能(時間的に無意味)なので、
1からキャラメイクして、1階で全員LV10まで上げることに自分の中で
決めてやり直した。
しかし人の家で週末2~3時間させて貰うだけなので、LV7から中々上がらな
かった。しかもLVUPの際のリセットも禁止だったので、LV7のメイジのHP
が確か27しかなかった・・・。
流石に見かねたお兄さんが、
「メイジは他のメンバーがLV10越えたタイミングで作り直そう」
と言い、
まだ制覇出来ていない1階のとある場所へ行くように言われて訪れると、
そうある意味wizardryで一番有名かも知れないモンスターである、
「マーフィーズゴースト」とエンカウントした。
平均LV8程、戦士の武器もロングソードのパーティでなんとか
討伐すると、今まで見たことの無い経験値が。
「一回部屋出てまた入ってみな」
お兄さんに言われるがまま再び部屋に入ると、倒した筈の奴が
復活して現れた。
「部屋に入り直す度に出てくるから、此処で納得行くまでLV
上げて下の階へ挑もう」
助言されて、LVと言うより作り直したメイジ含めて全ての魔法を
習得するまでひたすらゴースト狩りを繰り返した。
戦士はLV18を越えて1人は侍に転職させた記憶がある。基本EVIL
のパーティだったのでロードは作れなくて、忍者へ転職させるに
はまだパラメーターが揃ってなかった。
そして1階を隅々まで制覇し、2階へ挑むのだけど既にこの階の
モンスターは敵ではなく、「クリーフィングコイン」にやたらと
時間を取られてイライラしていると、
「よし、エレベーター乗ってアイテム取りに行こう」
お兄さんに促されて、例の場所へ乗り込み余裕で例の連中を倒して、
「ブルーリボン」
と「リング・オブ・デス」を手に入れた。
もちろん、「-」付いてるの知らなくて持ってるキャラ死にました
けどね。
その後は、9階で「ブレード・カシナート(クイジナート)」
「ヘルム・オブ・マ―ラー」確か「コールド・チェインメイル」
も出たと思うのだけど、などの装備を整え、
侍・忍者・忍者・ビショップ・ビショップ・盗賊
のパーティーで、ようやくこのゲームの本当の目的、
「アイテム集め」
の仲間に加わることが出来た。
初めて4ヶ月位経ってたように思う。
因みに、同級生のパーティーは、
ロード・ロード・侍・ビショップX2・盗賊、だった。
お兄さんが、
侍・侍・忍者・ビショップX3のパーティーだったと思う。
同級生はもちろん善のパーティーなのだけど、理由はお兄さんが
悪のパーティーだった事と、
「ムラマサより、ガーブ・オブ・ロードの方が出やすいハズ」
と言うのが理由で、お兄さんのパーティーは単純に、
「忍者のクリティカルよりムラマサの方が確実」
と言うのが構成の理由だった。
お兄さんのパーティーのビショップはみなLV200越えてる、
当時の僕から見ても「クレイジー」なパーティーだった。
けど、
「それでもたまにグレーターデーモンに全滅食らいそうになる」
と言い、同級生は、
「グレーターデーモン出たら戦わない」
と言ってた。
これから分かるように、実は2人ともムラマサもガーブ~も
手に入れられてなかった。
お兄さん曰く、
「日本語版にはムラマサ実装されてないポイ」
まだネットも無い時代なので、そんな事を言ってたのだけど、
10階へ僕が到達して、何回目かの潜伏で信じられないのだけど、
グレーターデーモンでは無かった、城に帰ってから鑑定させて
たので不確かなのだけど、たしかポインズンジャイアントから、
手裏剣があっさり出た。
鑑定結果見た2人から、「おおー!」と声が上がったのだけど、
ムラマサに比べたらまだ出やすい武器だったけど、10階数回目で
手に入れるのは中々無いらしかった。
ここからが本題なのだけど、気を良くして馬小屋で休んでw、再び
10階へチャレンジすると、普段余り見ないモンスターと遭遇した。
お兄さんも
「あんまり見ない奴だね」
と言ってた記憶がある。
カナリ強くて何人か前衛が倒れなながら倒すと、宝箱から鎧が
幾つか出た。武器じゃ無かったのでがっかりしてたのだけど、
持ってるキャラの横に「+」が。
「えっ、RING拾ったっけ?」
同級生に言われてキャンプ張って確認してもRINGは無い。
まだ10階に入ったばかりだったので持ち物もまだそんなになかった。
「・・・あれじゃないの?、そこで鑑定してみよ」
お兄さんに促されて、それらしき鎧をビショップへ渡して鑑定させ
るも何度も失敗して中々結果が出ない。
なんか皆緊張して、ようやく鑑定出来た画面には、
「ガーブ・オブ・ロード(ローズ?)」
お兄さんからは何度も肩を叩かれ、同級生は頭を抱えてたw。
悪のパーティーだったのでロードは入れられない(可能ではあるけど)、
ので、わざわざ1人キャラを作って、ガーブを保管してた。
その後も、他のゲームを遊びつつもなんだかんだとwizardryを
プレイしてた様に思う。
確か中学3年の夏頃まで、週末暇があれば家へお邪魔して延々3人で
wizardryをプレイ(僕が来てる時は優先的にいつもプレイさせて
くれていた)し、wizardry談義に華を咲かせてた。
けど3人とも、その間にムラマサ、僕が出して以降ガーブ~手にする
ことは無かった。
そして、中学3年の夏休みも終わって涼しくなってきた頃、件の
同級生は塾に現れなくなった。
一応電話番号は知ってたのだけど、まだ家電の時代。まだ子供
だったし、違う中学校の子の家に電話を掛けるのはどこか恥ずかし
かった。うちと全然違う感じに気圧されてた部分は確かにあった
のかもしれない。兄弟はそんな態度は一度も見せなかったけど。
2週間程見かけなくなったので、塾に居る彼と同じ中学の子に
声を掛けて聞いてみると、
「同じクラスじゃないから分からんけど、確かあいつ転校した
筈やで。理由は家でなんかあったらしいけど」
と教えてくれた。
確かに2年近くほぼ毎週末家へお邪魔してたけど、お父さんを見かけた
事は1度もなかった。
今思い返しても、不思議な家庭だった気がする。
お母さんはどこか浮世離れした感じの人だったし、家に行き始めて
数ヶ月経った頃、当時の僕からみて年配のお手伝いさんが家に出入り
してたのを知ったし、その人が僕達に飲み物やおやつをいつも持って
来てくれてた。
そして、あのお兄さん。
変に厳しく、融通の効かない人だったけど、とっても優しくて、最後の
方は毎週僕達とゲームをしてた気がする。
けど、最初に大学生と紹介されてたけど多分・・・今にして思うとニート
だった様に思う。
大学へは確かに進学したのだけど、卒業も就職もしないままの・・・。
同級生がお母さんと話している場面は何度も見たことがあったけど、
お兄さんが僕達以外と話している場面は見た記憶がないし、最初は
爽やかな印象だった人が、最後の方は頬まで髭が伸び放題のままだった。
けど、当時させて貰ってながらリセットや裏技使うことを良しと
しないお兄さんの方針に、何度か胸の中で舌打ちしつつ、
『友達とたまに遊びに行けば良いのに・・・』
と何度となく思ったのも事実。
けど、あれから何年も経ってなお、当時遊んだゲームが自分の中で
どこか特別なのは、攻略本に頼らずズルもしないで遊んだからだった
のじゃないかなと思う。
もし、攻略本片手にザナドゥやwizardryをプレイしてたとしたら、
こうして大人になって、鮮やかに思い出すことも無かった気がする。
あれから何十本とRPGをクリアしてきたし、自分でお金貯めてなんとか
PC(PC98)買ってザナドゥやwizardry(復刻版だけど)も揃えてプレイ
したけど、あの頃の楽しさは2度と蘇る事はなかった。
そして更に後年、プレステ2が発売された頃にふと、中古屋さんで投げ
売りされていたスーファミのwizardry#2ダイアモンドの騎士(表記はⅢ)
で初めて、ムラマサを手に入れたけど・・・あの時、僕じゃなくても誰でも
良いから手にしてたら盛り上がっただろうな・・・とただ思った。
変な感傷記事になってしまいましたけど、ネットも無い時代にwizardryや
あまり記事に出来ませんでしたが、「マイトアンドマジック1」をプレイ、
ある意味での縛りありでプレイできたのは幸運だっった気がします。
マイトアンドマジックでデモンロードの「根絶」アタックや、wizardry
でグレーターデーモンとの戦闘でマハマン唱えて、「魔法を無効化する」
が出なかった時の絶望感・・・w。
それはまだ見ぬ武器や、ダンジョンを夢見ながらテンキーを操作して
あの世界で冒険を堪能出来た最後の時代だった証なのかも知れませんね。
何より、まだオンラインも無い時代の、貧弱なグラフィックのゲームを、
3人ワイワイ騒ぎつつ、思い思いの想像を巡らせプレイ出来たのは人生に
おいて貴重な経験だったのだろうと思います。
✣文中での装備の表記はもしかすると「英語」だったかも知れませんが、
最早確かめる術もないのでご了承下さい。
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